SDカードの深い話

SDカードの仕組みと価格

SD カードの中はどうなっている?

大容量化、高速化がどんどん進んでいるSDカード。その中身はどうなっているのでしょうか?

左の写真はカードを分解した写真です。かなり古い16MBのカードです。右の図はそれをイメージ図にしたものです。カード内のほとんどはフラッシュメモリと言われる電子部品が占めています。このフラッシュメモリと言うのはデータを記憶するもので、ここに写真データや、動画データが保存されます。
2012年10月現在、よく売れているSDカード容量は8~64GBくらいの容量のものだと思います。これだけの容量のデータを保存できるようにするにはたくさんのフラッシュメモリをカードの中に入れなくてはなりません。フラッシュメモリも様々な容量のものがありますが、例えば2GBのフラッシュメモリで32GBのカードを実現するには16個のフラッシュメモリをカードの中に入れなくてはなりません。

このような電子部品を見たことがあるでしょうか。フラッシュメモリの代表的な形状です。黒く見えているのはフラッシュメモリチップ(半導体集積回路)を保護するための樹脂で、大きさは20×14mmくらいです。SDカードの大きさが24×32mmなので、並べてたくさん入れようと思っても無理ですね。MicroSDカードの場合、1個でもはみ出してしまいます。

そこで樹脂内に複数のフラッシュメモリチップを入れた部品や、樹脂で覆わずフラッシュメモリチップをそのまま SD カードの基板上に実装してしまう方法が主流になってきています。またフラッシュメモリも 半導体の微細化技術の進化などに伴って大容量化が進んでいます。このように製造方法の変更と半導体チップの高性能化によって大容量化が実現されています。

SD カードコントローラ

メモリに関する設計をされた方ならお分かりになると思いますが、メモリはアドレスとデータ、それに制御線によってどこに書き込むか、どこから読み出すかを制御されています。

しかしSDカードにデータを書き込む時にどこに書き込むかを意識することはないと思います。どうしてでしょうか。これはファイルシステムとSDコントローラによって制御されているからです。SDカードを差し込む装置と、SDカードそれぞれにSDコントローラが入っています。装置内にあるファイルシステムがどこにどれだけのデータを書き込む(読み出す)かを装置内にあるSDホストコントローラを介してSDカードコントローラに指示します。SDカードコントローラはその指示に応じてデータの書込/読出を行います。
SDカードコントローラは指示されたことを行うだけではなく、いろいろな機能を持っています。不良メモリブロックの管理や、論理->物理アドレス変換、書き換え回数の平均化(ウェアレベリング)などです。これらはフラッシュメモリ管理上のノウハウや特許によってできているのでここでは説明はしませんが、あんな小さなSDカードの中で非常に高度な技術が使われていることに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

SDカードの価格

店頭で販売されているカードの価格を調べてみました。調べてみて改めて驚いたのですが、1GBあたり25円前後まで価格が下がっているんですね。SDカードを買われる際には売値だけ見るのではなく、記憶容量、転送速度の仕様別に1GBあたりの単価で比較してみるのはどうでしょうか。



富士ソフトのSDXCコントローラ IPコアに関する情報はこちら