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小型デバイス開発に最適!CPU搭載モジュールで開発リスクも削減可能

以前のコラム「組み込み開発ボードを入手するには?~CPU搭載モジュール活用術~」ではモジュールを使用するメリットをご紹介し、モジュールを使うことでより良い選択肢を得られることをお伝えしました。


今回ご紹介するケースはモジュールを使わざるを得ない案例です。
(コストを無視したカスタマイズはなんでもできるので、それは論外とします)

そのキーとなるのは物理的なサイズです。
時代が進んでいるいまではあらゆるサービスが細かく要求されています。
配達業者も常に荷物の配送状況を把握し、顧客からの問い合わせに対応しないといけない。
(例えば午前中の配達時は留守だったので、不在連絡票を入れると、2~3時間後に問い合わせが来て「すぐ再配達してください」というリクエストを受けることもあります。問い合わせがいつくるかわからない、かつ問い合わせがきた時に荷物の状況を直ぐに把握できないと対応できません。そのため今日ではほとんどの配達業者はモバイル端末を宅配ドライバーに持たせています。

このモバイル端末は外回りのドライバーが持つので、ある程度の頑丈さ、防水防塵性能が求められます。例えば小雨で濡れても平気なIP54※程度に準拠していたり、地上1.6メートルから落としても壊れない位の頑丈さが必要と考えます。さらに軽量かつ片手で持てるサイズで、低消費電力性も求められます。
それらをすべて満足できるよう設計するにはやはりCPUモジュールを利用することです。わたしは特に小型で低消費電力のμQsevenが一番相応しいと考えます。

IPC Column1Qsevenは様々なベンダのCPUに対応しています。特にμQsevenの寸法は7cm*4cmで現在標準規格の中で、一番小さいボードになります。搭載するiMX6 Cortex A9は5W以下にすることも可能でまさに性能、消費電力、サイズなどの要求を満たしています。
さらにいまの時代は常に改善を求められるため、環境への配慮(低消費電力)、スピード、正確性が要求されます。特に電化製品は3~5年で入れ替えないと古くなります。
このドライバー用モバイル端末をCPUモジュールにすれば、性能のアップグレードは簡単にできます。
同じキャリアボードに別のCPUモジュールを載せ替えることでシステムも新しくすることができます。
このようにカスタムのボードではなくCPUモジュールを使用することで、数年後のシステムアップデートや新規開発をする際のコストやリスク低減ができます。

図2折角ですのでモジュールとフルカスタムボードのコスト面についてもお話します。

モジュールを採用する場合は土台になるキャリアボードが必要になります。
フルカスタムの場合はそれら2つの機能が1つのボードになるので単価からみると安くなります。単純に単価で考えるとその通りですが開発コストとしてトータルでみるとそうとは限りません。
まずフルカスタムの場合は開発費用が高く、開発リードタイムも長くなり、その分開発のリスクが高いです。フルカスタムボードをユーザで検証する工数が非常に多くなります。そして特定のユーザ向けにベンダがカスタムしたものですと、生産のMOQも発生します。
一般的目安の計算では年間数量が5000台、生涯台数が3万台以上であればボードをフルカスタムにしたほうがお得になります。
ただし、年間数量が2000台以下、生涯台数が1万台以下であれば、CPUモジュールにしたほうがいいと私は考えます。また、開発期間が非常に短いならフルカスタムのボードは考えられないです。

このような観点でもCPUモジュールは使えば使うほど便利だと考えます。是非、この機会に開発にとりいれてみてはいかがでしょうか。

※IP値は防塵性能・防水性能に関する保護等級

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