今どきのIoT考察

IoTとARMの関係

2016年の夏に、ソフトバンクによるARM社(英)の買収の話があり、この業界では結構話題になりましたね。今回のテーマは、IoT(Internet of Things)と呼ばれる「インターネットに繋がった“物”」とARMの関係についてです。

スマホやタブレットの多くにARMプロセッサが使われていることはご存知ですよね。それだけでなく、家電製品、車載情報機器や産業機器なんかにもARMは使われています。パソコン系ではインテル社のプロセッサが使われていますが、身の回りではARMプロセッサが入った電子機器がゴロゴロしているんです。

ARM社はARMプロセッサを作ったり、売ったりしているわけではなく、ARMプロセッサを製造するための設計情報(IP)をチップメーカに提供することでライセンス料をもらうビジネスをやっている会社です。売り上げは年間15億ドル位…というから驚きです。ソフトバンクの買収額が3.3兆円だとすると、単純計算では投資資金の回収に20年以上掛かってしまいます。

それにしても、なぜソフトバンクはARM社を買収したんでしょうね?という素朴な疑問が浮かぶわけですが。
そこで、ARMとIoTの関係がキーワードじゃないかなぁ~と思ったのです。IoTを広げていこうとすると、どうしてもこれまで出来なかった用途に展開していくことになりますよね。例えば、犬の首輪とか、家畜のタグとか、ひょっとしたら植木鉢なんかも…。

確かに、IoTが加速度的に広がって市場規模が数年で100倍に急成長すればすごいことになりますね。
ARM社はARMアーキテクチャや命令セットなど、まさにコアなIPを持っていて、それを改変・進化させていく立場ですよね。これ(命令セットの追加など)ができるのは、特別なアーキテクチャ・ライセンス持っている会社とARM社だけ。ソフトバンクがIoTにシフトしていくとすると、ARMアーキテクチャがIoTで使いやすい形に進化する…なぁ~んてことがあるかもしれません。

IoTは、クラウドでデータが利用されて初めてその価値が生かされるものですから、AIや各種データベースで利用されなければ面白くないですよね。なんだかAIがとっても大事な存在に思えてきます。少し前に言われたM2MがIoTになって、それを使ってAIが機械学習で知見を自動で蓄積していく世界。ちょっと怖い感じもしますけど、すごくわくわくすることは確かです。