SDカードの深い話

SDカードのデータ転送速度とホスト機器の関係

ホストコントローラ

SDカードに限らず、装置を動かすには、装置を操作する必要があります。例えばテレビを操作するにはリモコンを使います。電源のオン/オフ、チャンネルの切り替え、音量の調整などは、リモコンのボタンを押すことでリモコンからテレビへコマンドを送信して、テレビを思い通りに操作することができるのです。
では、SDカードを操作するには何を使うのでしょうか。答えは、SDホストコントローラです。リモコンのように目にすることはありませんが、SDカードを使用するホスト機器にはSDホストコントローラが入っています。このSDホストコントローラによってSDカードへのデータの読み込み、書き込みが可能になるのです。

SDカードとSDホストコントローラ間の通信手順はSDアソシエーションで策定されたSD規格によって規定されており、これに準拠してSDホストコントローラは作られています。詳細な通信手順は、SDアソシエーションに加入することで入手することができます。ここでは、通信手順をモードに置き換えて簡単に説明します。

SD バス速度とカードの関係

ホストコントローラはカードに最適な転送速度でデータ転送を行うことを説明しました。しかしウルトラハイスピード(UHS)に対応していないホストコントローラでUHS-I カードを使用するとどうなるのでしょう?
この場合、転送速度は104MB/sではなく 25MB/sとなり、遅い速度で動くことになります。せっかく、データ転送速度の速いUHS-I カードを使用しても、ホスト機器のSDホストコントローラがUHS-I に対応していなければ、無駄になってしまう訳です。このため、ホスト機器のスピードクラスに合ったSDカードを使用することをお勧めします。ホスト機器のスピードクラスは取扱説明書の仕様欄に記載してあることが多いので、確認してみて下さい。

今回はSDカードのデータ転送速度とホスト機器の関係として、「ホスト機器の転送速度」について説明しました。次回はSDカードのデータ容量とホスト機器の関係として、「ホスト機器のファイルシステム」について説明します。



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