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組み込み×AI(人工知能)の可能性

近年、専門の展示会が開催される、NHKで特集番組が放送されるなど、セキュリティと並んで技術者以外の方も注目する技術「AI(人工知能)」。日進月歩で様々な分野のシステムへと開発・応用が進む中、組み込み×AI(人工知能)の市場について抑えておくべきポイントを解説します。

今のAI(人工知能)は万能ではありません。

多くの方はAI(人工知能)と聞いて真っ先に浮かんでくるのは人型のロボットなのではないでしょうか?
人間の代わりとして皆が嫌がる仕事をこなす・困っている人のお助けをする、工場で休みなく働いてくれる等、人間の補佐役として活躍してくれるロボットをイメージするのかなと思います。しかしながら、今現在様々なシステムに導入されているAI(人工知能)は、私の知る限りそこまで高度なものではありません。WEB検索エンジンなどで”人工知能”と入力すると、お勧め単語に”仕事”・”なくなる”なんて単語が出てきますが、さまざまな事象に対して「考えて・判断して・動ける」完全に人の代わりとしての役割を果たす高度なAI(人工知能)が開発・製造されるのはまだまだ未来の話だと思っています。では、なぜ今AI(人工知能)がここまで注目されるのか?何ができるのか?をまずはおさえておきましょう。

AI(人工知能)が注目される理由は「人間超え」と「IoTとの親和性」

人工知能がここまで注目されるようになったのは2つの理由があると思っています。1つ目は学習することによりAI(人工知能)が限定的ながら人間を超えるような判断をするようになったこと、2つ目は時代背景、だと私は思っています。ゲームという限定した枠の中ではありますが、囲碁のAlphaGoや早押しクイズのWatsonといったその分野に特化した学習を行ったAIが人間の世界チャンピオンに勝ったというニュースに代表されるように、限定的ながらもAI(人工知能)が人間を超える判断をするようになりました。また、IoTという言葉をCMをはじめ、頻繁に聞くようになったように、組み込み機器(GPU・FPGA等のチップ・センサー等の半導体部品も含む)の小型化・高性能化・安価化・無線化により、例えば温度計・腕時計などといった身近な機器(モノ)が通信可能となりインターネットにつながることで、ユーザーの利用状況等のデータを細かく収集・確保できるようになってきました。各企業はユーザーから収集・確保した情報をもとにデータの分析・判断を行い、ユーザーごとにカスタマイズした最適なサービスを提供しようとしているのですが、複数の機器・複数のユーザーから収集されるデータ量は従来とは比較にならないほど膨大で、いわゆるビッグデータの分析・判断の作業を誰がやるのか?という課題が浮かび上がります。その課題解決にAI(人工知能)を活用することで自動的にセンシング(分析)・判断を行うことが期待されている、というわけです。

今のAI(人工知能)ができること

AI(人工知能)は限定的ながらもさまざまなシステムに活用されてきています。AI(人工知能)ができることを大きく分類すると「見て判断する」、「聴いて判断する」、「言葉を操る」ことが代表的かと思います。見て判断する例でいえば、車の自動運転のように障害物を見て人なのか物なのかを認識する、写真を見てそれが誰なのかを認識する、レントゲンを見て病気かを判断する、製品を見て不良品かを認識するなんてことが挙げられます。聞いて判断する例でいえば、言葉を聞き取りメモをする、言葉を聞き取り意味を理解する、音を聞いてなんの音かを聞き分けるなんてことができるようになっています。言語を操る例では、写真を見て理解した状況を言葉として説明する、言われた言葉を理解して言葉で返答するなんてことができるようになっています。そして、これらを代表する組み込み機器として、スマートスピーカー(AIスピーカー)などはもう身近になりつつありますし、車の自動運転というのも多くの方が既に知っている技術ではないでしょうか。この流れは今後も拡大し、未来は工場内の産業機器といった専門的な機械だけではなく、自宅にあるような電子機器や車載機などの組み込み機器までにも幅広く搭載されるようになるだろうと私は思っています。

ますます目が離せないAI(人工知能)の組み込み機器への応用

組み込み機器へのAI(人工知能)の搭載がどこまで進むのか?
その問いに答えるためには、AI(人工知能)がどこまで使える技術として進歩するかにかかっているように思います。様々な機器にセンサーが搭載され通信可能となることで、モノとモノがインターネットにつながり(IoT)、様々なデータが集まる時代は近い未来のように思います。そこで収集される膨大なデータの分析・判断を、組み込みAI(人工知能)がユーザーの満足するレベルまで自動で行うことができるようになれば、組み込みAI(人工知能)は一気に受け入れられ、活用用途が広がっていくだろうと私は考えています。

今後も組み込み業界に携わって行こうと思う皆様は、AI(人工知能)市場の動向をチェックしてみてはいかがでしょうか。AI(人工知能)技術が日に日に高度になりつつ、産業・医療・自動車をはじめ様々な分野において活用が進んでいくのがわかるかと思います。

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