ソフトウェア業界でごく一般的になっているオープンソースの概念はプロセッサの分野でも注目されており、その1つがRISC-Vです。海外ではRISC-VをベースとしたCPUはすでに実用化されており、日本でもRISC-Vを利用したエコシステムの構築が進んでいます。
今回の「KUMICO Meetup 2019」では、オープンソースの命令セット『RISC-V』をご紹介。RISC-V Foundation、関連製品を提供するベンダー企業にご登壇いただき、RISC-Vの開発手法と採用事例をご紹介します。お客様のハードウェア/ソフトウェア開発において、情報収集できる機会となりますので、ぜひ、この機会にご参加ください。
『RISC-V』とは
RISC-Vはカリフォルニア大学バークレー校が開発し、オープンソースとして公開された命令セットアーキテクチャ(ISA)です。
2015年にRISC-V Foundationが設立され、現在大手チップベンダーをはじめ世界各地から235社が参画しています。
ASIC/SoCのみならず、デバイス選択の自由度が高いためFPGA開発においても注目されています。また、コストパフォーマンスが高く、特定の企業に依存しないため、プロセッサのディスコン対策としても適したツールです。RISC-VベースのCPUオープンソースプロジェクトが複数あり、サードパーティの設計・検証ツールを使うことで、自社専用のCPUコアとして導入することも可能です。
KUMICO Meetup 2019概要
開催日時 | 10/23(水) 13:30~17:45(受付開始:13:00) |
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場所 |
富士ソフト アキバプラザ 5F レセプションホールCD 〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフト秋葉原ビル |
対象 | ハードウェア/ソフトウェア開発者、システムアーキテクトの方 |
定員 |
50名 ※申込多数の場合、抽選とさせていただきます。ご了承ください。 当落結果は10/16(水)に参加登録時にご記入いただいたメールアドレス宛にご連絡をさせていただきます。 |
主催 | 富士ソフト株式会社 |
協賛 | Bluespec, Inc.、Rambus Inc.、SecureRF Corp.、Andes Technology Corp.、アイエーアール・システムズ株式会社 |
協力 | RISC-V Foundation(SHコンサルティング株式会社) |
参加費 | 無料 |
持ち物 | 名刺2枚(受付にて名刺を頂戴いたします) |
タイムスケジュール
13:30~ | 開会のご挨拶 |
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13:35~ |
独立系SIerが聞いたRISC-Vに期待するお客様のリアルな声 富士ソフト株式会社 プロダクト事業本部 エンベデッドプロダクト事業推進部 昨今、海外での導入が進むRISC-Vですが、日本国内においても、今後RISC-Vのマーケットの拡大が予想されています。一方で、お客様からは既存のプロセッサに対する不満や新たな技術への期待を多く耳にします。 そうした要望に応えられる新しい技術として“RISC-V”が期待されています。本セッションでは、日本国内のお客様の開発における課題の解決策として、RISC-Vソリューションのご紹介と富士ソフトの取り組みについてお話します。 |
13:55~ |
RISC-V Foundationについて SHコンサルティング株式会社 ハードウエア統括本部 |
14:10~ |
AIoTへの近道 -RISC-VベースのAndes A+コア- Andes Technology Corp. RISC-Vはプロセッサ市場に急速かつ大きな変化をもたらします。オープンソースでモジュール式でありながらコンパクトで革新的なRISC-Vは画期的なISAです。開発におけるお客様のリスクを減らし、採用検討におけるハードルを下げるため、商用グレードIPを含みFree StartpプログラムであるRISC-VベースのCPU IPコアをご紹介すると共に、超低消費電力MCU向けIPからLinux対応マルチコアプロセッサIPまで、ご利用可能な様々なオプションについてもご紹介いたします。 |
14:40~ |
安心と高効率をもたらすRISC-V Bluespec, Inc. Bluespec社は、お客様がRISC-Vベースのオープンソースプロセッサのアドバンテージである革新的な技術、大幅なコスト削減、またベンダー依存からの脱却を享受でき、これらのプロセッサを中心とした開発をより安心かつ効率的なものにします。Bluespec RISC-V Factoryはあらかじめ検証されたクラス最高のRISC-Vオープンソースプロセッサコアとステムの統合、デバッグ、検証を高速化する開発プラットフォームです。本講演では、RISC-V Factoryの概要を説明し、いかにプロプライエタリのプロセッサIPと同じ信頼性と効率で、RISC-Vオープンソースプロセッサをすぐに使い始められるかをご説明します。 |
15:10~ | 休憩&製品デモ |
15:30~ |
RISC-Vだからできるルートオブトラスト・ソリューション Rambus Inc. 昨今大きな話題となっております広範囲なIoT機器群のセキュリティ対策及びMaaS(Mobility as a Service)時代を目前に控え、更なる進化を必要としている現在、ユニークなSecure Elementとして、ラムバス社が培った様々なセキュリティ技術を駆使して、RISC-V RV32IをベースにしたCPUを内蔵する CryptoManager Root of Trust IP(ソフトコアIP)を開発し、様々な応用アプリケーションへの対応を提案しています。本セッションでは、これらの概要に関して説明します。 |
16:00~ |
IoT時代の量子コンピュータ耐性を持つRISC-V SecureRF Corp. IoTエッジデバイスは通常処理リソースが貧弱で、消費電力についても厳しい制約があるものが多く、これらのデバイスに対して量子コンピュータ耐性を持つセキュリティ対策の導入は非常に困難なものです。このプレゼンテーションでは、ECCやRSAなどの方法よりも最大45倍高速で実行でき、RISC-Vおよびその他のプロセッサで実証済みで、しかも既知のすべての量子コンピュータによる脅威に耐性があり、将来を見据えた最適なセキュリティ対策について詳しく説明します。本セッションでは、パーベイシブなクラウドやネットワーク接続を必要としないデバイスレベルのセキュリティマネージメント、ファームウェアアップデータと所有権変更を含めた包括的なプロビジョニングと所有権に関するソリューションにおいて、いかにこれらの方法を活用できるかをご説明します。 |
16:30~ |
オープンソースRISC-V FIPS 140-3ハードウェアセキュリティモジュール、サーバ、およびセキュアOS SHコンサルティング株式会社 ハードウエア統括本部 昨今、サイバーセキュリティが大きく注目されており、IoT時代において様々な脅威に耐え、攻撃からシステムを守る有効な手法が求められています。当社はIoTのトラストルートを構成するセキュアMCU - CryptospeCを開発しており、RISC-Vがその中心に位置します。CryptospeCはIoTのアプリケーションプロセッサとして、64ビットまた32ビットRISC-Vコアマイコンを使うことができ、FIPS140-3暗号モジュール検証に適合するよう設計されています。本セッションでは、CryptospeCの概要、またデモや開発キットについて説明します。 |
16:45~ |
パネルディスカッション RISC-Vは本当に日本で流行るの? 2010年にRISC-VがオープンソースISAとして公開されて以来、活用ニーズが高まっています。海外では、RISC-Vを採用したSoCが次々とテープアウトされ、いよいよメインストリームに参入する勢いです。特に米中貿易摩擦が、世界中の技術者にCPUに対する技術依存の潜在リスクを再認識させる出来事となり、RISC-Vに乗り換える動きが一層活発になりました。一方、日本ではRISC-Vの認知度はまだ低く、また、信頼性と実績を重要視する傾向にある為、活用が進んでいない状況です。パネルディスカッションでは、「RISC-Vは本当に日本で流行るの」をテーマに、日本市場におけるRISC-Vニーズの現状、将来の展望について語り合います。また、技術、コスト、ビジネス視点での日本企業が持つ課題点について議論します。 |
17:15~ 17:45 |
懇親会&製品デモ |
(※講演内容は変更となる可能性があります。)
申し込み終了
講演者情報
Andes Technology Corp.
Technical Manager
Florian Wohlrab 氏
産業用PCやIoT分野で様々な技術とビジネスのポジションを歴任。Andes社ではソリューションディビジョンのテクニカルマネージャを勤めており、RISC-Vの市場拡大をミッションとしている。また、他の技術者と同様に、コンパクトで革新的なRISC-Vに魅了された一人であり、CPUにおいてRISC-Vこそゲームチェンジャーだと考えている。
Bluespec, Inc.
Exec Vice President
Bill Cibulsky 氏
30年以上にわたりEDA市場のエグゼクティブを務めている。これまで、SDA System社 Worldwide Sales 副社長、OrCAD社、Virtutech社、Cadence社を含むさまざまな企業でEDAのキャリアを積んできた。更には、Zycad社、Quickturn社、Apollo社などのハードウェア企業でセールス担当役員を歴任。 世界中で50を超える販売代理店のマネージメント経験を活かし、現在はBluespec社のExec Vice Presidentとして活躍している。
Rambus Inc.
営業部
シニアマネージャー
星野 力 氏
半導体業界に20年従事。半導体テスタ、パッケージ・基板設計、PHY IP開発等を経て、2011年からセキュリティIP及びPHY IPの営業及びテクニカルサポートに従事している。
SecureRF Corp.
CEO and Chairman
Louis M. Parks 氏
SecureRF社の共同創設者であり、ボードメンバーとして会長兼最高経営責任者を務めている。これまで、 IBMでセールスとエンジニアの両キャリア経験を積み、その後ニューヨークを拠点とする金融業界向けCRM(顧客関係管理)アプリケーションのプロバイダーであるClient Technologies, Inc.社のCEO兼社長、 Global Logistics Technology,Inc. のマーケティングおよび戦略担当上級副社長を務めた経験を持つ。更に、米国国土安全保障省のElectornic Border Intiativessの相談役として、電子パスポートおよびパスポートカードに関連するセキュリティ問題についてホワイトハウスへの進言を行っている。 SecureRF社はGlobal Semiconductor Allianceの一員であり、そのセキュリティワーキンググループのメンバーとして活躍している。
SHコンサルティング株式会社
ハードウエア統括本部
CEO
河崎 俊平 氏
豊富な開発経験を持つ。2001年にルネサスアメリカでJava Card(tm)を開発推進したことを皮切りに、 2001年から2003年にかけ、米国のネットワークルータ会社向けにルートオブトラストを確立するため、組込セキュアエレメント用C言語ライブラリ環境を開発。 2004年から2008年にかけて、米国大手スマートフォン会社向けセキュアOSを開発。2010年には、組込セキュアOS認定FIPS 140-2レベル3要件を開発。 2018年以降、日立製作所、慶應義塾大学、産総研、セコム、電通大、東京大学などが参加するNEDOが資金提供する研究成果をベースに、RISC-VベースのオープンソースセキュアMCUおよびOSの開発を進めている。
富士ソフト株式会社
プロダクト事業本部 エンベデッドプロダクト事業推進部
部長
姫野 呂裕 氏
10年を超える組み込みソフトウェアの受託開発を業務経験経て、FPGA向けに自社オリジナルIPコアの製品開発に従事。その後セールス・マーケティングに足場を置き、海外企業とのアライアンス、ビジネスデベロップメントの責任者を務める。ソフトウェアとハードウェアのハイブリッドのナレッジで新しい組み込み開発を探求し続ける。