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プロセッサの過去・現在・未来 ~昔のプロセッサは~

タイトルでは「昔」といっておりますが、世界最初期のマイクロプロセッサのひとつであるインテル社製商用プロセッサ『Intel 4004』の発売は1971年ですので、実はそれほど遠い過去の出来事ではないのです。

当時のインテル社は設立から3年しか立っておらず、後にIntel®がCPUの代名詞になり、世界の半導体最大手になることを想像できた人は果たしてどれほどいただろうか。

世界最初期のマイクロプロセッサ

Intel® 4004はプロセッサを語る上で歴史的に重要な意味を持つが、ビジネス観点ではそれに見合うマーケットでの成功はなく、業界から注目を集めたのはその後続製品のIntel® 8008です。Intel® 8008は8ビットで、動作周波数は200Khzとなり、4004の2倍の処理能力を持ちます。この世界初8ビットプロセッサはPCの前身とも言えるMark-8に採用され、それによりPCと言えば”Intel® Inside”の歴史の幕開けとなりました。

インテル社プロセッサの軌跡

1974年、インテル社は革新的な意味を持つIntel® 8080を発表し、ここまで来てビジネスでも大きな成功を収めました。Intel® 8080の動作周波数は2MHzと飛躍的に高まり、処理速度は8008の10倍を誇ります。この高い処理能力を評価されたのか、世界初のPC AltairがIntel® 8080を採用することになり、品切れが発生してしまうほどの大ヒット製品となりました。インテル社はこの成功を契機に、PC業界での地位を確かなものにするため、1978年に初となる16ビットのIntel® 8086、1985年に32ビットのIntel® 80386を発売し、技術革新を続けました。ちなみに、今でこそインテル社のプロセッサと肩を並べているARMですが、インテル®が勢力をあげていたこの当時はまだアーキテクチャが開発されてから3年でしたので、日の目を見るのをひたすら待ち続けていたのではないかと思います。

インテル社は80386, 80486と開発を続けていた1980年代後半、インテル社のライバルも多く現れ、力をつけてきました。インテル®のセカンドソース出身のAMD社は独自技術で後にインテル社のライバルとなり、またザイログ社のZ80は殿堂入りのプロセッサとして、今でもIPという形で現役として続いています。ほかにもHPやモトローラ、テキサス・インスツルメンツなど多くのメーカーが活躍しておりますが、インテル社が他社との差別化で1993年に次世代のプロサッサ製品を『Pentium』と名付けました。この新製品以降インテル社は圧倒的な技術力で、次々と新製品を発売し、AMD社と熾烈な競争をしつつもPC向けCPUで唯一無二の地位を不動のものにしました。

重要なのは技術の進化だけではない

CPUとPCの関係のように、最新技術と新製品は常に互いの力を借りてマーケットを広げてきました。同様に、ARM社の技術も「モバイル」といった新しいカテゴリの製品の普及にあやかり、Intel社を脅かす存在になったのです。

同シリーズ次回コラムでは、ARM社にスポットライトを当ててお話したいと思います。

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