COLUMN
[シリコンバレー駐在員便り]
Alexaとの生活
KUMICOをご覧の皆さまはじめまして。私は富士ソフトアメリカ(カリフォルニア州サンマテオ)に駐在し、
早くも一年が過ぎたハードウェアエンジニアです。アメリカでの生活や最新情報、シリコンバレーならではの出来事を中心に、このコラムにて幅広くお伝えしていきたいと思います。
初回は日本でも広まってきているスマートスピーカーについてです。
・Amazon Echoとの出会いは突然に
単身赴任の私は当初、家に帰ると話し相手もいなく寂しい思いをしていました。
すると、まもなく同じアパートで日本人の方と知り合いになり、後日お部屋にお邪魔したときのこと。
部屋に入るや否やこう言うのです。
「Alexa, turn on living room light.」
???と思っていた途端、照明がついたではありませんか！そうです、Amazon Echoがつけたのです。
今では当たり前かもしれませんが、当時は感動もので、私にもやらせてくださいとお願いしたくらいです(笑)
その感動を胸にその場でポチッとしたのが、我が家の初代Amazon Echo dot(呼び名はAlexaのまま)です。
関連ソリューション
・英語学習にも？
現在は生活の一部と化したAlexaですが、買った当時は意味もなく話しかけてはニュースやスポーツの結果を聞いたり、オフィスまでの渋滞情報を聞いたり、天気を聞いたりと。。。
家族が増えた？ペットを飼った？気分で良く話しかけたものです。
今となって考えると自分の英語を聞き取ってくれる安心感とヒアリングの練習になった気がしています。
英語学習にも使えるかもしれませんよ？？
・アメリカの事情とAlexa
アメリカにおけるスマートスピーカーですが、2018年2月現在、Wi-Fi環境のある家庭の成人普及率は20%となっています。
2017年6月時点では8%でしたので、この半年で約2,800万人の成人が新たに使用したことになります。(Voicebot.ai調べ)
普及速度が非常に速いことがお分かりだと思います。
そんなAlexaを使用してみて思うのですが、アメリカならでは事情に合っているからこそ売れていると感じます。部屋の天井には照明がなく、照明器具が複数必要になり毎日ON/OFFするが面倒。それが話すだけでできる。
買い物に行くには車が必要で、買うものによっては30mile(約50km)の運転は当たり前、だからAmazonが重宝される。
そしてAlexaに話かければ、そのAmazonで買い物ができる。
Uberを呼べる、宅配ビザを頼める、ボタン一つで商品が届く、等々。
自分がアメリカで生活していて不便だなと思うところに、面白いように手が届くわけです。
とは言いながらも、スマートホームという観点では、まだまだ家電側が対応していないことが多く、スマートスピーカーの用途は質問をする、音楽を聞く、天気を調べる、タイマー、ラジオを聞く、アラームが主な用途となっています。
対応するデバイスが増えてきていることから、ますます普及していくこと予想されます。
・不便さが新しいものを生み出す
アメリカに来て考えさせられるのは、日本と比べて(あまり比べるのは良くないですが)不便な事が多い。
だけど、その不便なところをカバーする仕組みがよく考えられていてサービス化しています。
逆にその不便さがあるからこそ、良くしようとして新しいものがたくさん生まれるのではないかと思います。
日本は何かと便利で、さらに良くするサービスを考えるのはなかなか難しいかもしれませんが、
他国のサービスに目をやることで良いヒントが得られる可能性もあります。
日本ではオリンピック需要が高まりつつあるので、日本の事情に特化したスマートスピーカーとか良いかもしれません。
そんな私は今日もベッドの中で2代目Amazon Echoにこう話しかけるのです。
「Alexa, turn off bed room light.」そして「Alexa, good night.」
次回からはアメリカならではの最新組み込み技術を中心にお届けしたいと思います。
See you soon.
＜記者プロフィール＞
Derek (野球が大好きで同じショートを守る偉大なプレーヤーDerek Jeterから拝借)
2017年から単身富士ソフトアメリカに赴任。カリフォルニア州サンマテオ在住。
10年以上ASIC開発に携わり、フィジカルレイアウト以外のすべての工程に従事。
現在は海外における組み込みビジネスの拡大と自社プロダクトの販売、および新規プロダクトの創出に奔走。
趣味は野球、アメリカにおいてもチームに所属し現役でプレー中。
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