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注目のローカル5G、普及のカギは?

ローカル5Gは、5G公衆網の整備に時間がかかり、産業分野、実ビジネスでいち早く5G導入を促すために、総務省が提唱しているもので、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進として大きく注目されています。ローカル5Gのコンセプトとして、無線局免許による専用5G通信エリアで、企業などの団体や⾃治体等が主体となり、⾃らの建物内や敷地内で構築できる5Gシステム、自らの使用用途に応じて、柔軟な構築と設定が行え、またほかのエリアの通信障害や災害などの影響を受けにくいです。ローカル5Gのガイドラインは2019年12月に公表され、免許申請を始めてから、既に17企業/団体以上交付を受けています。

注目の高さに対して、17という数字は少々釣り合わない小さい数字と感じている方もいらっしゃるのではと思います。より多くの企業が参入し、ローカル5Gを普及させるカギは何でしょうか。筆者は低コストのシステム構築とキラーアプリケーションだと考えています。

まず、システム構築についてですが、ユーザー側に立って考えると、ローカル5Gの導入はあくまで現在の業務をより良くするためのものという位置づけされているケースが多く、必然的にコストパフォーマンスの観点で厳しく評価されることになります。ローカル5Gの導入で、遠隔監視や操作の実現で人件費などを含めたコスト削減が大きなモチベーションで、導入と維持費用は削減できる経費を上回ると本末転倒になってしまいます。このような状況で、基地局を含めたシステムをリーズナブルな価格で提供することが必須となり、従来の公衆網のシステム構築と異なるアプローチが必要になってきます。

次に、ローカル5Gの導入意欲をより高めるために、5Gの特徴である超高速、超低遅延、多数同時接続だけを強調しても事足りず、やはりそれらの特徴を活かせるアプリケーションが必要になります。現にローカル5GはしばしばWiFi6やその他の無線通信技術と比較されているのは、ローカル5Gをベースとしたキラーアプリケーションの不在に起因すると思います。上述のように、コアビジネスではなく、よりよくするための技術として、ローカル5Gに期待される効果は、収益性向上とコスト削減に大きく分類できます。この二つのベクトルの延長線上に、ローカル5Gだからこそ提供できる唯一無二の価値をアプリケーションという形で具現化できるかは普及のもう一つのカギであると考えます。

上述の低コストのシステム構築とキラーアプリケーションの開発はいずれもスクラッチから行うことはコスト観点で無理が生じそうで、また時間もかかります。そのため、FPGAボードやIPのような既製品をパーツとして組み込むことは合理的と言えます。現在、基地局から映像などのアプリケーションまで多くのベンダーが関連製品を提供しており、詳細は下記コラムにございますので、ご参考になれば幸いです。

5G 時代を支える製品IP製品―ローコストでスピーディな基地局構築を実現―
https://www.fsi-embedded.jp/kumico/column/2856/

5G時代を支える縁の下の力持ち-O-RAN、Comcores社がいち早く対応IPをリリース
https://www.fsi-embedded.jp/kumico/column/2584/

5Gの普及で注目のNVMeインターフェース
https://www.fsi-embedded.jp/kumico/column/2914/

【新製品】AI、5Gにお勧めFPGAアクセラレータカード
https://www.fsi-embedded.jp/kumico/column/2989/

ローカル5Gとは。基地局の免許申請など

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