まこちゃんの海外ベンダ交渉日記

ピンチはチャンス!

2017年の新年度に入り、私「まこ」もようやく社会人3年目となりました。
『Vol.1の交渉日記』でお話しした通り、海外ベンダの方々にコンタクトを取って販売店契約を締結していくことが、私の主な業務。グローバルビジネスの経験が豊富でお喋り好きな上司に指導してもらいながら、ようやくこの業務にも慣れてきたところです。そして、販売店契約を結んだベンダの製品担当という、新たな仕事も増えました。
製品担当の仕事は、日本国内での営業活動にあたってベンダと密にコミュニケーションをとり、日本のお客様の窓口として対応・サポートすることです。

熱意がスゴイ!私の担当ベンダ「Blue Pearl Software」

現在、私が担当しているベンダ「Blue Pearl Software(以下BPS社)」は、米国サンノゼを本拠地としており、ASICやFPGA開発でのコード解析やデバッグ向けのRTL検証ツール開発・販売を行う会社です。

大手競合が市場を占めつつある日本ではまだ知名度は低いですが、BPS社の製品「Visual Verification Suite」は、①ツールの使いやすさ、②抜群のデバッグ効率、③大手の3割程度というリーズナブルな価格が特徴で、新世代のEDAツールとして定評があります。 米国でのシェア率も大幅に拡大し、昨年度はなんと売上高2倍増という急成長中の海外ベンダです。


詳細はこちら【Blue Pearl Software】

BPS社には、早期から富士ソフトとの協業に取り組んでいただいていて、日本にも何度も足を運んでもらっています。
BPS社の中心メンバーは「CEOのエリス」「社長のジョン」「CTOのスコット」の3人。キャラクターは少しも似ていませんが、自社製品に対して強い誇りや情熱を持っているところは共通しています。

さて、製品担当の経験がない私が、BPS社の初担当となったわけですが、ある出来事をきっかけにBPS社との結束はより強いものになっていきました。ベンダ側の熱意に応えるべく日々努力しているのは勿論ですが、とある『ピンチ』を乗り越えたことが、深い信頼関係の構築に繋がったのです。今回はそのエピソードを紹介させていただきます。

10分間で何をプレゼンするべきか!?

それは2016年11月、パシフィコ横浜で行われた組み込み業界最大の展示会「Embedded Technology 2016」でのこと。
近年は富士ソフトも毎年出展していますが、その年は販売店契約を結んだパートナー会社を10社近く招待し、ブース内で共同展示することに。共同展示では、単に製品の展示スペースを設けるだけではなく、各ベンダが会社と製品のプレゼンテーションを行うことに決まりました。

各ベンダに与えられたプレゼン時間は10分。
海外ベンダ側がメインのプレゼンテーション、富士ソフト担当者が日本語サポート、という役割分担で製品紹介を行う予定でした。私もBPS社担当として、前日に社長のジョンとプレゼンの打ち合わせをしていたのですが、彼は持ち時間や進行について不満があったようで…

「たったの10分間で日本語・英語で商品説明なんて不可能だ!」
「英語か日本語のどちらかだけで話す方がまだいい」
「英語で話しても視聴者が理解できなければ意味がない。Makoが全部日本語でプレゼンをやるべきだ!」

と、活発なディスカッションに!
(というか、一方的に英語で抗議(!?)されて、私は半泣き状態でした…)

本来富士ソフトが考えていた企画とは少し違いましたが、彼らの意見は合理的でしたし、せっかく遠路アメリカから参加する貴重な機会なので、ベストなプレゼンをすべきだ、という彼らの言い分には私も賛成でした。

最終的には、BPS社側が冒頭で挨拶をした後、私が日本語で製品説明を行う、という段取りで調整できました。ただ私自身経験も浅く、十数時間後にはプレゼン本番という準備時間も少ない中での予定変更だったため、私の頭の中は不安でいっぱいでした。
とはいえ、私がこの製品を一番よく理解している『担当』なので、決まったからにはやるしかありません!

乗り越えた私。そして…、

そしてプレゼン当日。組み込み専門技術者を前に「GUI/CLIでの容易な操作性、優秀なデバッグ機能、WindowsとLinuxという汎用性の高い環境対応…」といったBPS社の製品特徴を、必死にプレゼンしました。先輩諸氏のありがたい協力もいただき、なんとか無事にプレゼン終了。ジョンからも ”You did great job!(よくやりきった!!)” と肩を叩かれて、ホッとしたのを覚えています。

当初はBPS社の方も「こんな未熟者が自社の担当なのは不安だな…」と思っていたらしいのですが、このプレゼンで私への信頼は少し上がったように感じます。プレゼンの準備過程で本音で話し合うなど、共同作業に妥協しなかったのが信頼獲得につながったのでしょう。
『ピンチはチャンス』とよく言いますが、このような困難な局面を乗り越えることは、自分の力をつけるいいチャンスなのだ、と実感しました。

…余談ですが、海外の方は(特に北米)ルールや決まりごとよりも、いかに合理的であるかを考えて行動する印象があります。そういった部分は、仕事にせよ人生にせよ、本質を追及するために見習うべきところだなと感じた一件なのでした。

〜まこちゃんからのお知らせ〜

2017年6月30日、新横浜国際ホテルで開催される『DVCon Japan 2017』に富士ソフトが参加することに決まりました。このイベントは、北米で25年以上の歴史を持つ設計と検証にフォーカスした技術セミナーで、日本では初めての開催となります。当日は私「まこ」も、説明員として活躍する予定です!
本コラムでご紹介した、Blue Pearl Software社の次世代EDAツール「Visual Verification Suite」にご興味のある方は、ぜひ私にお声掛けください。

DVCon Japan 2017@新横浜

【日時】
2017年6月30日(金)

【場所】
新横浜国際ホテル マナーハウス南館

【講演トラック】
SystemCトラック/Verificationトラック/LPB(LSI Package Borad)トラック
計28のセッションを予定

【参加費】
無料!
(昼食・懇親パーティーをご用意)

【定員】
300名

【ウェブサイト】
http://dvcon-japan.com/2017/

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