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中国製「完全ワイヤレスイヤホン」の勢いが侮れない

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皆さん、2016年9月に行われたApple社の発表会、ご覧になりましたか?iPhone7やApple Watch Series 2など魅力的なガジェットが発表される中、ひときわ異彩を放っていたのがAirPodsです。AirPodsは、ケーブルが一切存在しない、完全ワイヤレスなイヤホン。AirPodsの誕生に未来を感じた方も多かったのではないでしょうか。

【AirPods出典先:http://www.apple.com/jp/airpods/】

先進的ゆえに高級品だった完全ワイヤレスイヤホン

実はAirPodsの登場より2年も前から、完全ワイヤレスイヤホン(海外ではTrue Wireless Earphoneなどと呼ばれています)のクラウドファンディングが始まっていました。
その中で最も商品化が早かったのが、Earin (2015年12月)。まるで耳栓のような形状・サイズと、モバイルバッテリーも兼ねる収納ケースは、その後の完全ワイヤレスイヤホン製品によって踏襲されるほど完成度が高いものでした。しかしながら、その先進性ゆえに国内では約3万円以上もする高級品となってしまいました。

その後、Dash(左画像:約3万円)やDot(右画像:約1.5万円)など、クラウドファンディングによって次々と完全ワイヤレスイヤホンが登場しました。

【Earin出典先:https://earin.com/】

【Dash出典先:http://www.bragi.com/thedash/】

【Dot出典先:https://goo.gl/gWZaXp】

飛躍的な成長を遂げた中国製「完全ワイヤレスイヤホン」

そして、いよいよAppleやSamsung、ONKYOなど大手メーカーが完全ワイヤレスイヤホン市場に参入してきました(1.5万円~2万円)。
一方で、驚くべきことに、最初期のEarinが発売された前後、すでに中国では独自の完全ワイヤレスイヤホンが発売されていました。ただ、1万円以上もする割にバッテリーは30分程度しか持たない、Earinの足元にも及ばないものでした。

ところが、それから半年後、まだAirPodsが発表される以前、中国ではかなり性能が向上した完全ワイヤレスイヤホンが、たった3000円で多数販売されるようになっています。
筆者はQ800(左画像)とX1T(右画像)を買ってみましたが、いずれも音質は従来のBluetoothイヤホンと変わらない程度で、バッテリーは3時間持ち、音声の途切れ具合もクラウドファンディングのEarinやDotと変わりませんでした。すでに多数の類似品も販売されています。 日本にも輸入されていて、Amazonで買えるようになってきました。数年前にはケーブルありのBluetoothイヤホンが1万円以上でしか買えなかったことを考えると、ものすごい進化の速さです。

この驚くべき中国の製品力は、製品コンセプトが大手メーカーやクラウドファンディングで発表され、そして機能のベースを構成するチップセットが安価に供給されたときに、爆発的な威力を発揮します(やっと組み込みらしい話になってきました)。
上記の製品ではCSR社のCSR8635というAudio用Bluetooth4.0チップセットが使われています。このチップセット自体は2013年に登場し、多くの製品に使われています。これを利用した完全ワイヤレスヘッドホンのリファレンス・デザインが中国で共有され、各社一斉に製品化したものと思われます。そのため、各社製品で操作方法・挙動・操作ガイドの音声まで同じものが多いようです。この知財の共有構造が中国のプロダクトの強みであり、長期的にも中国の中小メーカー全体の技術力を底上げしています。

【Q800出典先:https://goo.gl/3iFsFw】

【X1T出典先:https://goo.gl/PL27H8】

日本の組み込み開発は中国に脅かされている場合じゃない

リファレンス・デザインを設計製造できる所は限られているものの、プロダクト化の圧倒的なスピード感と低価格化が可能なメーカーが、中国にはゴロゴロいることになります。もはや足りないのはコンセプトだけ、しかしそこもすでに確実に力を付け、一歩抜け出しているメーカーも数多くあります。

我々、日本で組み込み開発を行っているエンジニアは、彼らを相手に戦っていかなくてはなりませんが、お互いを必要ともしています。相手の得意なところを利用しつつ、相手の足りないところで勝負をかける。そんな製品を考え続けなければならないのです。

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