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Flutterを用いてアプリの開発効率アップ、クロスプラットフォームでもっと自由な開発を
更新日:2024年11月18日
注目ソリューション
異なるOSをまたぐアプリ開発を劇的に効率化。クロスプラットフォームで自由な開発を実現します。
現在、世の中のデジタル化の進展にあわせ、デスクトップアプリやウェブアプリ、スマートフォンアプリ、ウェブアプリなど、様々なプラットフォームが生まれ続けており、それを作る開発者の負荷は増える一方です。
そんな中、テクノロジーの進展にあわせ、モバイルやデスクトップなど複数のプラットフォームを一貫したアプリを構築する手法である「クロスプラットフォーム」が昨今、劇的な進化を遂げています。
アプリケーション開発コストの削減やスピード重視の開発を目指す方にとってクロスプラットフォームはもはや避けては通れないものになってきています。 ここでは、開発効率を劇的に向上させるクロスプラットフォーム開発について、そのメリットや代表的なフレームワーク、導入時のポイントを分かりやすく解説します。
クロスプラットフォームとは、一つのアプリケーションを複数のプラットフォーム上で動作させるための開発手法や技術を指します。Windows、macOS、iOS、Android、Linuxなど異なるオペレーティングシステムやデバイス上で同じコードベースを用いてアプリケーションを動かすことを目的としています。このアプローチにより、開発コストや時間を削減できる点が注目されています。 クロスプラットフォームは、特定のプラットフォームに特化した「ネイティブ開発」とは異なり、より広範囲なユーザー層に効率的に対応することができます。そのため、近年のアプリケーション開発では重要な選択肢の一つとなっています。
クロスプラットフォームが注目される背景には、技術の進化と市場ニーズの変化があります。以前は、iOSやAndroidなど、両方に対応したアプリやシステムを展開したい場合は、プラットフォームごとに個別の言語や環境下で開発する必要があり、対象範囲を広げるほどに開発期間やコストが大幅に増大することが一般的でした。
しかし、スマートフォンやIoTデバイスの普及に伴い、複数プラットフォームに対応するアプリケーションの需要が急速に拡大したことで、効率的に開発する環境に対する必要性が、かつてないほど高まっています。
このように開発効率の向上とリソースの最適化が求められる中で、かつてJAVAの登場で注目されたような同一のコードベースで多様なプラットフォームに対応可能なクロスプラットフォーム技術が支持を集めるようになりました。エンジニアにとっても比較的一般的なJavaScriptやDartなどの汎用プログラミング言語を活用したフレームワークの登場が、開発者に大きな利便性をもたらしています。
クロスプラットフォームにあわせてマルチプラットフォームという用語もよく使われています。それぞれで違う意味を持つという主張もありますが、基本的には同じことを指していることが多いです。
違う意味として主張される場合は、マルチプラットフォームは、異なるプラットフォームごとに個別に最適化されたアプリケーションを開発することを指し、一方、クロスプラットフォームは、1つのコードベースで複数のプラットフォームに対応するケースを指します。
クロスプラットフォーム開発の最大のメリットは、開発コストと時間の削減です。同じコードベースを利用して複数のプラットフォームに対応できるため、例えば、スマホアプリを開発する際も、通常、iOSだったらObjective-CやSwift、Androidであったら、JavaやKotlinなどなど、それぞれの言語で開発する必要があったものを1つに統合することができるため、開発リソースを効率的に活用できます。加えて、以下のような利点も挙げられます。
一方で、クロスプラットフォームには以下のようなデメリットも存在します。
ネイティブ型クロスプラットフォームとは、各プラットフォーム固有の機能を最大限に活用できるように設計されたアプローチです。この手法では、プラットフォーム特有のAPIや機能にアクセスするために、フレームワークがラッパーを提供します。
ネイティブ型のメリットは、パフォーマンスが高いことです。また、UI/UXがプラットフォーム固有の設計に比較的忠実であるため、比較すると、よりよいユーザー体験を提供しやすいかもしれません。しかし、開発には一定の専門知識が求められるため、他と比べるとコストがかかり、初心者にはハードルが高いです。
ハイブリッド型は、ウェブ技術(HTML、CSS、JavaScript)を活用してアプリを構築し、それをネイティブアプリのように動作させる手法です。代表的なフレームワークとして、IonicやApache Cordovaがあります。このアプローチでは、Webブラウザと同じ仕組みを活用したWebViewを通じてアプリが動作するため、コードの再利用性が高く、特にウェブ開発者がそのスキルをモバイル開発に転用するのに適しています。
一方で、ハイブリッド型のアプリは、ネイティブ型に比べてパフォーマンスが劣ることが多いです。例えば、Webブラウザでの動作に似たレンダリングが行われるため、ネイティブに比べてレスポンスが遅い場合があります。また、WebViewの仕様や性能がプラットフォームごとに異なるため、UIの一部でプラットフォームごとの差異が出やすいというデメリットもあります。
独自レンダラ型は、プラットフォーム固有のUIコンポーネントを使用する代わりに、フレームワーク独自のレンダリングエンジンを用いる手法です。このレンダリングエンジンにより、プラットフォームに依存しない高品質なUIの描画が可能でありゲームに適した方式でもあります。
Flutterがその代表例であり、単一のコードベースから一貫性のある美しいUIを提供することで知られています。独自レンダラ型の利点は、開発者が統一された設計で効率的にUIを構築できる点です。ただし、フレームワーク自体が新しいため、学習コストが高い場合や、ネイティブ型ほどのパフォーマンスを得られないケースもあります。
FlutterはGoogleが開発したクロスプラットフォームフレームワークで、Dartを使用して多様なプラットフォーム向けアプリを構築できます。Dartはシンプルかつ高性能なプログラミング言語であり、Flutterと連携することで一貫したデザインや高いパフォーマンスを実現します。さらに、Dartのホットリロード機能により、開発効率が飛躍的に向上し、迅速なデバッグや調整が可能です。
React Nativeは、Meta(旧Facebook)が開発したオープンソースのフレームワークで、JavaScriptを使用してクロスプラットフォームのモバイルアプリケーションを構築することができます。ネイティブコンポーネントを活用することで、高いパフォーマンスを発揮できます。また、活発なコミュニティサポートがあり、豊富なライブラリやプラグインが利用可能で、効率的に開発できる環境が整っています。
Xamarinは、Microsoftが提供するクロスプラットフォーム開発フレームワークで、C#を使用してWindows、iOS、Android向けのネイティブアプリケーションを効率的に構築できます。また、Visual Studioとの統合により、開発環境が統一され生産性を向上させることができます。
前述のようにウェブ技術を活用したハイブリッド型フレームワークです。シンプルなアプリケーションを迅速に構築するのに適しています。
HTML、CSS、JavaScriptを使用してクロスプラットフォームのモバイルアプリを構築するためのツールです。軽量で初心者にも扱いやすい点が特徴です。
GitHub社が開発した、JavaScript、HTML、CSSといったWeb技術を活用して、クロスプラットフォームのデスクトップアプリケーションを開発できるオープンソースのフレームワークです。単一のコードベースでWindows、macOS、Linux向けのアプリを効率的に構築できます。他のクロスプラットフォームツールと比較して、ElectronはWeb技術をベースにしているため、既存のWeb開発スキルをそのまま活用できる点が強みです。
C++をベースにしたフレームワークで、クロスプラットフォームのGUIアプリケーションを構築できます。企業向けアプリにも広く利用されており、1つのソースでスマートフォン、タブレットや組込み機器のオペレーティングシステムで動作するアプリケーションを開発できます。
Googleが開発したオープンソースの独自レンダラ型のUIフレームワークで、Dart言語を使用し、単一のコードベースからiOS、Android、Web、デスクトップ向けの高品質なアプリケーションを構築できます。 Flutter独自のレンダリングエンジンを用いてUIを描画することで、iOSやAndroidなど異なるプラットフォーム間で一貫したデザインと高性能なユーザーインターフェースを提供できます。
Googleが開発したオープンソースのWebアプリケーションフレームワークで、TypeScriptを基盤としています。Angularを使えば、シングルページアプリケーション(SPA)や動的なWebアプリケーションを効率的に開発することができます。
Reactは、Meta(旧Facebook)が開発したオープンソースのJavaScriptライブラリで、ユーザーインターフェース(UI)の構築に特化しています。
元Googleの開発者Evan You氏が開発した軽量で使いやすいJavaScriptフレームワークです。シンプルな構造と双方向データバインディングにより、小規模から中規模のプロジェクトに適しています。
Svelteは、Rich Harris氏が開発した次世代のJavaScriptフレームワークで、コンパイル時に効率的なコードを生成し、仮想DOMを使用せずに高性能なユーザーインターフェースを実現します。
2Dおよび3Dゲーム開発に広く利用されるクロスプラットフォーム対応のゲームエンジンです。豊富なアセットストアや直感的なインターフェースにより、初心者からプロフェッショナルまで幅広い開発者に支持されています。
Epic Gamesが開発した高性能なゲームエンジンで、リアルタイム3Dコンテンツの制作に広く利用されています。最新バージョンのUnreal Engine 5では、NaniteやLumenといった革新的な機能を搭載し、リアルタイム3Dコンテンツを効率的に作成することができます。
Cocos2d-xは、Chukong Technologiesが開発したオープンソースのクロスプラットフォーム対応2Dゲームフレームワークで、C++で記述され、Android、iOS、Windowsなど多様なプラットフォームで動作します。
Godotは、Juan Linietsky氏とAriel Manzur氏が開発したオープンソースのクロスプラットフォーム対応ゲームエンジンです。独自のシーンシステムとGDScript言語により、2Dおよび3Dゲームが効率的に開発でき、小規模から大規模なプロジェクトまで幅広く対応します。
Kotlin Multiplatformは、JetBrainsが開発したクロスプラットフォーム対応のフレームワークで、Android開発で使われるKotlinを使い、単一のコードベースからAndroid、iOS、Web、デスクトップ向けのアプリケーションを構築できます。
Microsoftが提供する次世代フレームワークで、Xamarinの後継として注目されているクロスプラットフォームフレームワークで、C#とXAMLを使用して、Android、iOS、macOS、Windows向けのネイティブアプリケーションを単一のコードベースから構築できます。
Haxeは、Haxe FoundationとNicolas Cannasse氏が開発したオープンソースの高級プログラミング言語およびコンパイラです。静的型付けのオブジェクト指向言語であり、ActionScript 3やECMAScript 4に似た構文を持ちます。Haxeの最大の特徴は、単一のコードベースからJavaScript、C++, C#, Java, PHP, Python, Luaなど多様なプラットフォーム向けにコンパイルできます。
Microsoftが提供する統合開発環境(IDE: Integrated Development Environment)として知られていますが、Xamarinや.NET MAUIを利用したモバイルアプリケーション開発、ASP.NETを使用したウェブ開発、Electronを用いたデスクトップ開発など、1つのツールで異なるプラットフォーム向けアプリケーションを開発できる環境が整っています。
最後に富士ソフトが、クロスプラットフォームでの開発を進める際に特に留意しているポイントを4つお伝えします。
導入時には、ターゲットとなるプラットフォームを明確にすることが重要です。対象がモバイルなのか、デスクトップなのかによって、最適なフレームワークや技術スタックが異なりますし、実現したい機能やUIによっても適切なプラットフォームを選択する必要があります。
クロスプラットフォームでは、複数のプラットフォームでデータの一貫性を保つ必要があります。複数の対応予定OS上で実現したいDB機能をサポートするDBを選定する必要があります。
クロスプラットフォームでは、カメラ、GPS、Bluetoothなどのデバイス制御が求められる場合があります。対応するAPIやプラグインを事前に確認し、対応OS毎にデバイスドライバを開発する必要性などを調査します。
対応予定OS毎に同じ試験を実施するために評価工程が冗長化する可能性があります。複数のプラットフォームで同じ品質を確保するために、自動化されたテストツールやCI/CDパイプラインの活用が必要になる場合があります。
クロスプラットフォームは、異なるOSやデバイス間で同じアプリケーションを動作させるための開発手法です。Windows、iOS、Androidなど複数のプラットフォームに対応でき、開発コストや時間を大幅に削減し、単一のコードベースで一貫したデザインや機能を提供できる特徴があります。様々なデバイスが世の中に溢れる中、開発現場にとって、必要不可欠な技術ともなってきています。
その一方で、パフォーマンスの制約やデバッグの複雑さなどの課題もあります。効率的な開発の実現のためには、自らの環境に適したプラットフォームの選定やテスト自動化によるデバックの効率化などを考慮することが求められます。
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