FSI DMS/EMS(電子機器 設計及び製造受託サービス)

開発から製造まで一貫した工程におけるDMS/EMS(設計・製造受託)を提供します

EMS(電子機器受託製造サービス)とは? 基礎知識から導入の仕方までを徹底解説

EMS(電子機器受託製造サービス)とは? 更新日:2025年4月1日

目次

EMSとは何か。その定義を整理する

EMSは、正式にはElectronic Manufacturing Servicesといい、電子機器の受託製造を専門とするサービスのことを指し、そのサービスを提供する企業をEMS企業などといいます。委託元企業が製品の設計を行い、製造部分をEMS企業に委託するのが基本的な形であり、委託元企業にとって製品の市場投入までのプロセスを効率化できるのが大きな特徴です。

EMS企業が部品調達から組み立て、テスト、物流までを担当することで、委託元企業がコスト削減や製造の柔軟性をもつことができるなどの特長があり、製造業界における重要なサービスとなっていますが、その一方で「EMS」という言葉は、製造受託以外でもさまざまなシチュエーションで使われたり、OEMなど似たようなサービスが複数あったりなど、混乱を招くこともあります。

まずはその定義を整理しながら、混同されがちな他の用語との違いを明確に解説します。

「EMS」を整理する。様々なシチュエーションで使われているEMS

「EMS」は製造業以外でも利用される略語であり、そのために混同が生じることがありますので、まずはその整理をしたいと思います。

美容機器:EMS(Electrical Muscle Stimulation)

美容機器としてのEMSは、微弱な電流を使って筋肉を刺激する技術で、特に筋肉トレーニングやボディケアに広く利用されています。皮膚に電極を貼り付けて低周波の電気信号を送ることで筋肉を収縮させ、運動と似た効果を得られることに特長があります。

国際郵便:EMS(Express Mail Service)

EMSは、国際速達郵便サービスを表す用語としても使われます。航空便を活用することで通常の国際郵便よりも短期間で配達されるのが特徴で、個人や企業が海外に書類や小包を送る際に使われます。トラッキング機能も備えており、配達状況をオンラインで確認することができます。

環境マネジメントシステム:EMS(Environmental Management System)

環境マネジメントシステムとしてのEMSは、組織が環境負荷を軽減し持続可能な経営を実現するための仕組みです。国際規格ISO 14001に基づき、計画・実行・評価・改善を繰り返すことで環境目標を達成することを目指します。

「EMS」に似たサービス、関連サービスを整理する

DMSとは

DMS(Design and Manufacturing Services)は、EMSに設計工程を加えたサービスです。設計から製造までを一括で依頼できるため、委託元企業は製品開発の負担をより一層軽減できます。たとえば、新しい製品のコンセプトを持っているが、社内に設計リソースが足りない場合にDMSは大きな助けとなります。DMS企業は、特定の産業分野ごとに強みが分かれるケースが多いです。

OEMとは

OEM(Original Equipment Manufacturer)は、製品の設計を委託元企業が行い、製造だけを委託する形態です。完成した製品は委託元企業のブランド名で販売されます。例えば、多くの家電メーカーは、自社設計の製品をOEM企業に製造してもらい、自社ブランドで販売しています。OEMを利用する場合、設計から製造に移行する際の情報共有や、製造プロセスの透明性を確保することが成功のカギになります。特に品質管理体制を事前に確認し、製品の品質が保証されるパートナーを選ぶことがポイントになります。EMSと近しいものですが、EMSが電子機器にフォーカスしたものであり、委託元企業の独自の製品をつくること、かつロット生産であるのに対して、OEMは受託先企業が元々持っている製品を委託元企業のブランドをつけて売ることであり、かつ発注量は受託先企業の任意の量になることが通常です。

ODMとは

ODM(Original Design Manufacturer)は、設計から製造までを受託先企業が一括して担当する形態です。ODMを提供する企業は、製品開発の初期段階からサポートに入るため、特に迅速な市場投入が求められる場合や、委託元企業が製品開発の専門知識が不足している場合に有効といわれています。ただし、ODM企業に設計を委ねることで、製品の差別化が難しくなるリスクもあるため、委託元企業は、自社のブランド価値をどう保つかを考える必要があります。

ファウンドリとは

ファウンドリとは、半導体産業において他社からの設計データに基づき、半導体チップの製造を専門に行う企業を指します。受託するファウンドリ企業は、自社で製品の設計や開発は行わず、製造に特化することで高い専門性と効率性を実現しています。このビジネスモデルは、製造設備への巨額な投資が必要となる半導体業界において、設計と製造の分業化を促進し、委託元企業としてのファブレス企業(自社で製造設備を持たず、設計に特化した企業)との協業を可能にしています。代表的なファウンドリ企業として、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子などがあります。EMSは電子機器全般の製造を行うことを指すのに対し、ファウンドリは主に半導体チップの製造を専門に行う企業のことをいいます。

EMS、OEM、ODM/DMS比較表

特長 EMS OEM ODM/DMS
略称の意味 Electronics Manufacturing Services Original Equipment Manufacturing Original Design Manufacturing
主な業務範囲 製造、組立、テスト、配送 製造のみ 設計、製造
製品設計 委託元が行う 委託元が行う 受託先が行う
製造プロセス 一貫して請け負う 委託元の指示に従う 委託元と相談しながら行う
自社ブランド(受託先) 持たない
※EMS専業の場合
持たない
※OEM専業の場合
持たない
主な対象産業 電子機器 幅広い(食品、電化製品、自動車など) 電子機器が多い
生産規模 契約ベースのロット生産 委託元の要望に応じて調整可能 委託元と相談して決定
委託元と受託先の関係 戦略的パートナー 協力工場的な関係 協力関係(ODM)
戦略パートナー(DMS)
受託先の責任範囲 製造から場合により配送まで 製造に限定 設計から製造、場合により配送まで
委託元の市場変化への対応力 製造以外の上流工程に専念し、市場変化に対応しやすい 製造以外の上流工程に専念し、市場変化に対応しやすい 製造に加え、開発部分も委託するため、市場変化への対応力は一番高い
コスト削減効果 委託元:製造関連の投資を削減できる
受託先:規模の経済が発揮できる
委託元:製造関連の投資を削減できる
受託先:規模の経済が発揮できる
委託元:製造・開発関連の投資を削減できる
受託先:規模の経済が発揮できる
委託元の関与度 低い(お任せ) 中程度(指示を出す) 高い(相談しながら進める)

EMS普及の背景

電子機器受託製造サービス(EMS)の普及は、製造業における生産方式の変遷と密接に関連しています。従来、日本を中心とした多くの電子機器のメーカー企業は製品の設計から製造、販売までを一貫して自社で行う「垂直統合型」の生産方式を採用していました。垂直統合型の生産方式では、全工程を自社で管理するため、品質やコストの統制が可能であり、特に製品ライフサイクルが長い業界に適した方式でした。

しかし、技術革新の加速や市場ニーズの多様化に伴い、製品のライフサイクルが短縮し、迅速な市場投入が必要になると、垂直統合型の生産方式ではコスト効率や製品投入までのスケジュールに非効率が目立つようになり、市場の変化に十分に対応することができなくなってきました。そこで、この変化に対応するため、企業は自社の強みである設計やマーケティングに経営資源を集中させ、製造工程を外部に委託する「水平分業型」の生産方式へとシフトしていきました。この水平分業型が可能になった背景に、電子機器製造サービス企業の台頭があります。EMS企業は、複数の企業からの受注を集約することで生産規模を拡大し、コスト効率を高めることが可能で、委託元企業としてもリーズナブルな仕組みとなりました。また、最新の製造技術や設備を導入することで、高品質な製品を大量に生産する能力を備えていくことになりました。

このような水平分業型のモデルは、特に電子機器業界で顕著に見られます。例えば、スマートフォン市場では、製品のモデルチェンジが数ヶ月単位で行われることも珍しくなく、迅速な製造と市場投入が求められます。このような環境下で、EMS企業の活用は、もはや不可欠な要素となっています。

EMSの歴史

1.誕生と初期段階 (1980年代)

EMSの概念は1980年頃にアメリカで誕生しました。シリコンバレーで、IT企業が相次いで成長してきたことに合わせ、特にパソコンメーカーを中心に生産の合理化、収益力強化の目的で製造を委託するケースが増えてきました。当初は日本の下請け生産スタイルをベースとした効率的なビジネスモデルとして発展しました。

2.成長期 (1990年代)

EMSは急速に発展し、開発や物流管理など、より広範囲なサービスを提供するようになりました。アメリカの大企業が中国やマレーシアに低賃金で業務を委託できる工場を設立したことが、EMSの成長を後押ししました。

3.グローバル化とIT革命 (1990年代後半〜2000年代初頭)

グローバリゼーションとIT革命に伴うパソコン・通信機器の普及により、EMSの需要が急増しました。ソレクトロンなどの大手EMS企業がマレーシアや中国に工場を設立し、世界的に展開しました。

4.チャイワンモデルの台頭 (2000年代)

台湾企業が開発・設計を担当し、中国で生産・組立を行う「チャイワン」と呼ばれる分業体制が主流となりました。フォックスコンに代表される技術力の高い台湾企業がEMS市場でトップシェアを獲得しました。

5.日本での普及 (2000年以降)

日本では2000年頃からEMSが広く普及し始めました。電子機器メーカーが生産・実装部門をEMS企業に売却する事例が増加し、EMSがより重要な役割を担うようになりました。現在、EMSは電子機器の製造受託サービスとして、従来の枠を超えて、設計から出荷までの一連のプロセスを一括して請け負う包括的なサービスへと進化しています。

EMSの具体的なプロセス

EMS(Electronic Manufacturing Services)は、電子機器の製造を専門に受託するサービスであり、製造工程の中核部分を担います。製品開発プロセスは大きく分けて「設計」「部品調達」「基板製造及び実装」「試作」「量産」の5つの段階に分類され、EMSが担当するのは主に「部品調達」以降の工程です。

基板実装(PCB Assembly)

基板実装は、回路基板に電子部品を配置し、はんだ付けで接合する工程です。この工程では、SMT(表面実装技術)やTHT(スルーホール技術)等の技術が用いられます。また、部品の正確な配置と接続が求められるため、高性能な実装設備や検査装置を使用することで、精密な製造を実現していきます。例えば、ピック&プレースマシンが部品を正確に配置し、リフロー炉で接合する一連のプロセスが一般的です。EMS企業は、これらの技術を駆使して、高い信頼性と効率性を提供しています。

試作(Prototyping)

試作は、量産における潜在的な問題がないかを検証します。具体的には、DFM(デザインフォーマニュファクチャリング)を活用して製造性を考慮した設計を行い、ICT(回路検査)や信頼性試験で性能や耐久性を評価します。もしEMS企業が試作工程に参加することができれば、製造工程における設計上の課題を早期に解消し、スムーズな量産移行が可能になります。

量産(Mass Production)

大規模な製品生産を効率的かつ高品質に行う工程です。EMS企業の特長がでるところでもあり、高い製造効率と品質管理を満たしながら、製品の量産をすることが求められます。また、物流管理や在庫管理も含めたトータルソリューションを提供し、製品の安定供給も支援します。量産工程では、コストと品質を両立させることが、EMS企業としての大きな強みとなります。

EMSのメリット

EMSは、製造業におけるアウトソーシング戦略として広く採用されています。

委託元企業にとってのメリット

EMSは、製造業におけるアウトソーシング戦略として広く採用されています。

経営資源の集中

製造業務をEMS企業に委託することで、自社は付加価値の高い製品の企画や開発、マーケティングなどのコア業務に専念することができます。

設備投資の削減

自社で生産設備・製造設備を保有・運営する必要がなくなるため、高額な設備投資や維持費を大幅に削減でき、資本を他の重要な分野に振り向けることができるようになります。このような製造機能を持たず、製品企画や設計に特化するビジネスやメーカーのことを「fabless(ファブレス)」やファブレス企業といい、EMSが世界に広がると同時に、ファブレス企業も増加しました。

コスト削減

設備投資も含めての話となりますが、EMS企業は複数企業から受注を受けるため、規模を活かした部品の一括購入により材料費を抑制でき、生産ラインの効率的な運用も実現可能で、委託元企業としてもコストを抑えた発注が可能になります。

リスク軽減

自社で生産設備を持たないため、設備投資に伴うリスクや生産設備の陳腐化のリスクがなく、需要の変化に柔軟に対応しながら、すばやく生産体制を構築することができます。

市場対応力の向上

自社がターゲットとしている市場環境の変化や急速な技術革新が起きた際も、自社に生産設備を準備するコストや手間を省けるため、設計にフォーカスしながらも、迅速な製品開発と生産が可能になり、市場競争力を保つことができます。

受託先企業(EMS企業)にとってのメリット

生産規模の拡大

複数の企業からの受注により、生産量が増加し、スケールメリットを享受できます。これにより、コスト効率の向上が可能になります。

技術力の向上

多様な製品の製造を通じて、製品製造に関わる最新の技術やノウハウを蓄積でき、企業全体の技術力を向上させることができます。

EMSのデメリット

委託元企業にとってのデメリット

品質管理の難しさ

EMSでは委託元企業が受託先企業の現場に対して直接指示をすることはできません。そのため、製造プロセスの細かな調整や品質管理が困難となり、現場の状況把握が遅れる可能性があります。

製造ノウハウの蓄積不足

製造プロセスを外部に委託することで、自社内での製造技術やノウハウの蓄積が進まない可能性があり、将来的な技術開発に支障をきたす可能性があります。

市場対応力の制限

ロット生産での契約となっていた場合、市場の変化や需要の変動に迅速に対応する際、受託先企業との調整が必要となるため、場合によっては既存の生産量調整、在庫調整に時間が取られる。また、取引のあるEMS企業が市場変化に対応した製品の製造が難しい場合、その準備などに時間がかかり製品の市場投入が遅れ、ビジネスチャンスを逃す可能性もあります。

受託先企業にとってのデメリット

過度な依存リスク

特定の委託元企業からの受注に依存しすぎると、その企業の業績悪化が自社の経営に直接影響を及ぼす可能性があります。

利益率の低下

価格競争が激化する中で、受託単価が下がり、利益率が低下するリスクがあり、持続的な成長が難しくなる可能性があります。

EMSの代表的な企業

富士ソフト

富士ソフトは、ソフトウェア開発を主力としながら、EMS事業にも取り組んでいます。特に、組み込みソフトウェアの開発とハードウェアの製造を組み合わせたサービスを提供し、サービスの付加価値を高めています。

その他、次にあげるような企業がEMS企業としてよく知られています。

  • 鴻海精密工業(ホンハイ、Foxconn)
  • ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(SGMO)
  • ペガトロン(Pegatron)
  • クアンタ・コンピュータ(Quanta Computer)
  • コンパル・エレクトロニクス(Compal Electronics)
  • フレックス(Flex)
  • スミトロニクス(住友商事グループ)
  • 沖電気工業(OKI)

EMS業者の選定方法。業者選定に失敗しないためのポイント

電子機器受託製造サービス(EMS)業者の選定は、製品の品質や市場投入のスピードに直結するため、慎重な判断が求められます。以下に、失敗しないEMS業者選定のためのポイントを詳しく解説します。

製造実績の確認

EMS業者を選定する際には、依頼する製品に対する業者の製造実績を確認することが重要です。まず、産業機器、医療機器、車載機器など、同じカテゴリの製品を手掛けた経験があるかを確認しましょう。

次に、使用する主要デバイス(パッケージ)が同じであるかを確認することで、業者の技術的適合性も評価できます。基板のサイズ、層構成、素材が希望する仕様に対応しているかを確認することも重要です。

最後に、希望する生産数量に対応可能かを確認することで、業者の生産能力を評価します。

見積もりとスケジュールの明確化

早期の製品導入を低コストで実現できることがEMSの特長であり、当然に見積もり内容と製造スケジュールが自社ニーズにあっているのか、適切なコストになっているのかを確認することが重要です。

見積もり金額が明確で、追加費用の有無がはっきりしているかなどコストの透明性を確保することも必要です。その上で、希望する納期に対応できるかを確認します。納期遅延は市場投入の遅れにつながるため、特に注意が必要です。これらを適切に確認・管理することで初めて予算管理や市場戦略を適切に進めることができます。

製造体制の評価

EMS業者の製造体制も、当然製品の品質や供給の安定性に大きく影響します。

まず、必要な部品を安定的に調達できる体制が整っているかを確認します。次に、部品や製品の在庫を適切に管理し、欠品や過剰在庫を防ぐ仕組みがあるかをチェックします。また、生産計画や進捗を効果的に管理できる生産管理システムの有無も確認すべきポイントです。

品質分析や不良解析を行い、継続的な品質改善が可能な品質管理体制が整っているかも重要です。最後に、製品出荷後の保守やサービスに迅速に対応できる体制があるかを確認することで、EMS業者の製造体制を総合的に評価することができます。

工場のインフラ設備

EMS業者を選定する際、工場のインフラ設備の充実度は重要な基準となります。

最新の設備を導入している業者は、高精度かつ効率的な生産が可能であり、製品の品質が高めやすくなります。また、製品の品質を担保するための検査設備が整っているかも重要なポイントです。

不良品が発生した際にもその原因を迅速に特定し、改善策を講じるための不良解析設備が備わっているかも確認すべきです。これらの設備が整っている業者は、製品の品質管理能力が高く、信頼性の高い製品供給が期待できます。

その他のプラス要素

EMS業者を選定する際には、以下の要素も考慮すると良いでしょう。

まず、生産ラインに余裕があり、急な増産や仕様変更に柔軟に対応できる業者は、需要の変動に迅速に対応できるため、製品の市場投入を早めることができます。細かいところだと、工場の所在地が自社からのアクセスが容易で、コミュニケーションが取りやすい場所に位置していると、緊密な連携が可能で、問題発生時の迅速な対応ができるため有利です。

さらに、製品が必要とする各種規格や認証に対応できる業者は、品質や安全性の確保において信頼性が高いと言えます。

最後に、担当者がプロジェクトを適切に管理し、スムーズな進行をサポートできるマネジメント力を持つEMS企業であるかが重要です。委託元企業として、簡単に確認できる要素ではありませんが、プロジェクト進行にはトラブルや行き違いはつきものです。そういった際に、スムーズなマネージメントができる担当者がいる企業は、EMS企業に限らずですが、非常に重要なパートナーとなると思います。

以上の点をまとめると、重視すべきなのは、

受注生産対応力

多品種少量生産やカスタマイズ製品に柔軟に対応できるか。

部品調達と在庫管理

安定した部品供給と適切な在庫管理が行えるか。

品質分析と不良解析能力

品質問題の原因を迅速に特定し、改善策を実施できるか。

開発体制の整備

製品開発から量産まで一貫してサポートできる体制があるか。

製造・検査設備の充実度

高品質な製品を製造・検査するための設備が整っているか。

生産ラインの柔軟性

生産量の変動や製品仕様の変更に迅速に対応できるか。

規格対応力

製品が必要とする各種規格や認証に対応できるか。

になるかと思います。

電子機器受託製造サービス(EMS)業界は、技術革新や市場ニーズの変化に伴い、近年著しい成長と変化を遂げています。2023年の世界EMS市場規模は約4,768億8,000万米ドルと推定され、2030年までに年平均成長率(CAGR)5.7%で拡大し、7,014億7,000万米ドルに達すると予測されています。
[参考] https://manufacturing-today.com/news/ems-market-set-for-rapid-growth-amid-tech-advances/

自動車産業における需要増加

電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進展により、自動車向け電子部品の需要が急増しています。特に、コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化(CASE)の進展が、新たな電子部品需要を生み出しています。これに伴い、EMS企業は自動車メーカーとの連携を強化し、高度な電子システムの製造能力を拡充しています。

AI関連製品の需要拡大

人工知能(AI)を搭載したスマートフォンやパソコンなどの高付加価値製品の登場により、関連する電子部品市場が活性化しています。AIチップやセンサーの需要増加に対応するため、EMS企業は高度な製造技術と品質管理体制を整備し、迅速な市場投入を支援しています。

産業機器分野の需要回復

2023年には低調だった産業機器向け需要が、省人化ロボットやEV製造設備の需要増加により、2024年中には回復が見込まれています。特に、製造業の自動化・効率化を目的としたロボティクスやIoTデバイスの需要が高まっており、EMS企業はこれらの製品の製造受託を強化しています。

環境関連需要の拡大

脱炭素化の潮流を受け、再生可能エネルギー機器やインバーター、EV急速充電システムなどの需要が増加しています。これにより、関連する電子部品の需要も高まっています。EMS企業は、環境規制に対応した製品の製造プロセスを導入し、持続可能な製造体制を構築しています。

高付加価値部品へのシフト

自動車の高機能化に伴い、安全性、高速大容量伝送、大電流・高耐圧対応、車体軽量化などのニーズに対応した高付加価値部品の需要が加速しています。EMS企業は、これらの高度な要求に応えるため、先進的な製造技術や品質管理手法を採用し、競争力の強化を図っています。

富士ソフトもEMSサービスを提供しています。富士ソフトの場合、製造のみならず設計工程も含めたDMS/EMSソリューションとして提供しているため、お客様のご要望に合わせて、設計・製造から評価まで一貫した工程をお任せいただけます。

特に、富士ソフトは多製品に渡る開発実績を保有しているため、お客様のご要求に合わせた部品の選定、技術力の提供、品質の確保が可能です。富士ソフトは数多くのパートナー企業との繋がりもあるため、製造で課題となる少量多品種の製造や在庫管理などのご要望にもお応えいたします。

また、設計から製造まで行うにあたり、多くの企業とのやりとりが必要になるところも富士ソフトが全てマネージメントいたします。

富士ソフトのDMS/EMSソリューションの強み

「最新のもの」から「レガシーなものまで」。柔軟なFPGA活用のご提案

大手FPGAベンダーである、AMD社・INTEL社とアライアンス関係にあり、最新デバイスだけでなく、EOLになる製品を見据えた入手性リスクを考慮した設計が可能で、お客様製品のBCPの遂行に貢献します。また、実績の少ない最新FPGAに関しても先行して詳細な技術情報の習得が可能で、お客様のスムーズな最新FPGA導入をサポートすることができ、製品の付加価値向上に貢献することができます。

必要な先端技術とそれに伴う品質の確保

様々なアプリケーション向けに豊富な製品開発実績を持ち、必要となる先端技術と品質確保のノウハウを蓄積しております。お客様が製品開発において新しい技術導入が必要な場合でも安心して開発をお任せいただけます。

少量多品種製造の課題を解決

製造においては、当社が最適なパートナー企業を選定し、お客様のご要望に合わせ、QCDのバランスを最適化致します。少量多品種での製造や、部品在庫管理もお任せいただくことができます。

お客様製品の早期市場投入に寄与するSOM(System On Module)の活用

小型のモジュール構成となるSOMを多数取り扱っており、各種CPUに対応しております。仕様に適したSOMの導入は、開発期間や部品調達期間の短縮、開発コストの圧縮につながり、お客様製品の早期市場投入に貢献することができます。

まとめ

EMS企業は、電子機器製造における戦略的パートナーとして急速に進化を遂げています。自動車、AI、産業機器、環境関連分野での需要拡大により、単なる製造受託を超えた高付加価値なソリューションを備え始めてきています。技術革新、市場ニーズの変化、持続可能性への対応が重要となり、EMS企業には、より一層の柔軟な製造能力、先端技術の迅速な導入、品質管理の高度化が求められています。

企業のコア競争力強化と迅速な市場投入を支援する、EMS業界の役割はますます重要になっており、メーカー企業にとって、激しいグローバル競争にさらされる中、自社に最適な技術力をもったEMS企業との戦略的パートナーシップが、自社の発展を支える強みとなっていくでしょう。

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