Qsevenとは
Qseven(キューセブン)とは、SoM(System on Module)の一つで、70×70mmの超小型フォームファクタを特徴とするコンピューターオンモジュール規格です。COM Express、ETX、XTXといった他規格と比べて小型で、消費電力を抑え、I/Oを必要な機能のみに限定することで、高いコストパフォーマンスを実現しています。オンボードメモリは振動やショックに強い構造で、産業用途にも適しています。
70×70mmのカードエッジフォーム規格として登場し、現在は組み込み技術の標準化団体SGeT(Standardization Group for Embedded Technologies)が管理しています。QsevenコンソーシアムにはARBORをはじめ多くのIPCメーカーが参加しており、産業機器や人型ロボットを含むさまざまな組み込み機器で採用されています。
Qsevenモジュールは単体では動作せず、用途に応じて設計したキャリアボード(ベースボード)に装着して使用します。グラフィック・サウンド・ストレージ・ネットワーク・USBなどの信号は、すべてMXMコネクタを介してキャリアボードへ伝達されます。MXMコネクタは高速PCI Express(PCIe)グラフィックスカードにも用いられる高速信号インターフェースコネクタです。キャリアボードの設計者は、製品に必要なI/Oインターフェースだけを選んで実装できます。
搭載できるCPU
低消費電力のプロセッサが中心で、一般的にはTDP 10W程度までのCPUが搭載されます。Intel系ではAtomクラス、ARM系ではNXP i.MX6(ARM Cortex-A9)やCortex-A53コアを搭載した製品などに対応します。低消費電力と小型化を両立する用途に適しています。
主なインターフェース
キャリアボードとの間で、次のようなインターフェースを伝送できます。PCIe、USB、Gigabit Ethernet、Serial ATA(SATA)、DisplayPort、LVDS(ディスプレイ)、High Definition Audio、SDIOなど。キャリアボード側で必要なI/Oだけを選択して実装できるため、製品要件に合わせた柔軟な設計が可能です。
Qsevenのメリット
超小型:70×70mmの小型フォームファクタで、省スペースな機器設計が可能です。
低消費電力:I/Oを必要な機能に絞り、低TDPのCPUを採用することで省電力を実現します。
コストパフォーマンス:機能を最適化した設計により、高いコスト効率を実現します。
高い堅牢性:オンボードメモリは振動・衝撃に強く、産業用途に適します。
開発効率:難易度の高いプロセッサ周りの設計をモジュールに任せ、キャリアボードのみを設計すればよいため、開発期間とコストを削減できます。
μQsevenについて
Qsevenには、サイズを小型化した派生規格μQseven(マイクロQseven)があります。μQsevenは電気的な仕様(SPEC)はQsevenとまったく同じながら、サイズが70×40mmとおよそ半分になっており、よりコンパクトな機器や細長い筐体のユニットに適しています。
電気的な互換性があるため、Qsevenで設計したソフトウェア資産を活かしつつ、さらなる小型化を図りたい場合に有効な選択肢です。














